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お金を借りる人はどのくらいの金利でどのくらいの金額を借りている?
それでは借入れをしている方において、一体どれほどの金利で、どれほどの借入れを行っているのか、各金融業者が金融庁へ報告したデータを元に説明をします。(平成31年、令和元年の統計)
金融庁資料
消費者向無担保貸金業者の貸付残高(平成31年3月末)
(1)貸付金利別
(2)貸付残高規模別
事業者向貸金業者の貸付残高(平成31年3月末)
(1)貸付金利別
(2)貸付残高規模別
借り入れにおける金利(実質年率)の平均パーセンテージについて
金融庁が公式ホームページ(https://www.fsa.go.jp/status/kasikin/20191031/index.html)で公開している情報(5.消費者向無担保貸金業者の貸付残高)によりますと、下のグラフのように金利の平均は14~16%が一番多く、次いで16~18%、3番目に12~14%となります。
ほとんどの方が14%~16%程度の実質年率でお金を借りていることが分かります。
実は、実際に債務整理(主に任意整理)を行う方のほとんどがこの14%程度の実質年率に入っています。
この金利は消費者金融、いわゆるサラ金で借りた方ではなく、多くが銀行カードローンやクレジットカードのショッピング及びキャッシングの金利となっています。
初めてお金を借りる場合でもこのくらいの金利になりますので予想通りの結果です。
実際に高い金利でお金を借りているから返済に苦労して任意整理を行ったという結果ではありません。
同じような金利で何社か借りているような状況において自転車操業のような形となってしまうのです。
借り入れにおける金利ごとの平均借入金額について
次に、どのくらいの残高が残っているか、確認しておきましょう。下の図をご覧ください。
金利の平均パーセンテージごとの平均貸付残高をチェックしてみると、赤文字の箇所の残高が多く2~4%以下が4,561,000円と突出しております。
通常のカードローンなどではこのくらいの金利で借りられる銀行はかなり少なく、この枠に入っている借り入れは何にでも使えるようなフリーローンではなく、使途目的が決められている学資保険や担保を充てる不動産担保ローンなどが当てはまります。約450万という場面は大学入学における経費や留学目的が少なくありません。
上記した金利でいうと14%~16%の範囲でしたが、多くの方が平均で50万円近く借り入れをしていることになります。
実際に債務整理を行う方はこれ以上の貸付残高がある方が多く、自身の収入では返済できないような状況に陥っています。
そのほか、約50万~100万における利用額は金利に関係なく見られますが、中でも注目すべきは20%以上の金利は現在、法外金利(闇金)となりますので、正当な貸付とは言えません。
これはグレーゾーン金利となり、過払い金請求の対象になります。
事業者向け、金融貸付の金利と借入平均額
次に、補足として企業を例に、借入の状況について整理してみましょう。
事業者(法人)における金利はその内容から6%以下に集中し、一部を除き法内的値といえますが、それでも22%と20%を超える金利はグレーゾーンであるため、債務整理の対象となります。
最低金利枠では約170万と高額となるため、長いスパンで運用を想定されていると考えられます。次いで多い4~6%枠ですが約32万と一気に借入れ金額が下がります。
まとめ
債務整理を行う方の多くは普通に借りて普通に返していたけど、どうしても諸事情があって返せなくなってしまった方がほとんどです。
実質年率や貸付残高をみても明らかです。
自分だけ金利が高いのでは?とか借りすぎてしまった、というわけではありません。
やはり計画的に返済できなくなった事情は仕方ないにしても、そもそもの金利や借り入れ金額が大きいため放っておくと利息がどんどん膨れ上がってしまうため、まずは一括返済をなんとかできないか、できない場合は任意整理などで借金を減額、返済が続けられるように考えていく必要があります。
なお、金利が20%を超えるような方もまだ居られるので、ご自身はどのくらいの金利で借りていたのか、過去に交わした契約書などでしっかり確認し、分からないような場合はまずは弁護士や司法書士へ相談してみることをおすすめします。
近年、多くの事務所は相談だけなら無料でできますので、話を聞くだけでも今後どうすれば良いか道筋が見えてくるでしょう。